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外交官の話
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散りゆくものとは、美しい物ではなかったのか。
ひらひらと舞い落ちる桜の花びらの中
日本の誇りを銃で撃ち抜かれ 命を散らす、沢山の人々を見て
一体、どこが美しいと言えるのだろう。
「……透君、お仕事だ」
机の上に肘をつき、神妙な顔ををする60歳程の男性
「……はい」
滑稽だな、
汚いおっさんのあんたには、仕事が回ってこねーからか。
「前の方と同じだが、飽きられてはならんぞ、なんたって我が国は、」
「わかってます、ちゃんと」
そんなの上で踏ん反り返ってた上層部の方々には、わからなかっただろうがな。
この前までは。
「…では、失礼します」
建前として頭を下げ、ぱたりと扉を締めれば肺に入ってくる甘い匂い。
…っぅ、…へぁ、っ、んぐ…ぁ
Do not let it slip away! (へばってんじゃねーよ!)
…ぁ、すどっぷ、ぅ…ぃあ、すとっ、
shut up (黙れ)
開け放たれた部屋の扉
そこから溢れる匂いと声に、きゅっと帽子を深く被り遠回りをするのは、何時もの事
こんな光景を見て、最初に思うのは、何故、女ではないのか、だいたいそんな事だろう。
勿論、最初は女だった。
花魁や、他の下町で働いていた人が徴収され、生涯を遂げる人がいても御構い無し。
けれど、性病が感染し、ばったばったと墓が作られ、
女ではなく、俺ら男に。
だけど、外交官の相手で良かったのは
「…とおる、っ…だす、よ…、」
「ぁっ、ちょうだ、っ、…あれっくしゅの…ひぅ、っぁ」
言葉が通じる事
「今日もわるいね、はい、これ」
「んーん、ありがと」
金を払っていく事
ただ、それだけ。
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