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きいてよ 5 kyrt
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大分顔の熱さは冷めていき、
目だけでキヨくんをみた。
スマホを見ながら誰かの住所を書いていた。
「…その住所、誰の?」
恐る恐る聞いてみた。
女のだったら嫌だな…なんて思いながら。
キヨくんは暫く悩んだ顔をした末、
わかりやすい嘘を吐いた。
「俺の友達のだよ。」
キヨくんは嘘が苦手だ。
友達のなんて家が分かっていれば
書かなくてもいいのに。
「嘘やろ?」
俺は少し寂しげな声でそう言った。
キヨくんはピクッと反応しただけで、静寂は戻った。
また暫くして、キヨくんは立ち上がりメモを持ちながら
「ちょっとコンビニ行ってくるわ。」
と言って玄関の方向に向かっていく。
俺はイラッと来て
「コンビニ行くのに住所のメモは必要ないやろ」
とキツめに言う。
どうせ女と会うんやから。
キヨくんは怒ったのか、キツイ声で
「うるせぇな!!買い物メモなんだよ!!」
と俺に吐き捨てた。
さすがの俺にもそれには怒り
「…住所はコンビニに売ってないで。」
とキヨくんを睨みつけながら寝室に入った。
暫くしたら玄関のドアがバタンとうるさく閉まって、
キヨくんの存在がこの家からなくなった。
嫌われた。
涙が止まらない。
上手く息ができない。
ちゃんとキヨくんと話せばよかった。
ごめんなさい
キヨくん
たくさん後悔した。
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