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劇場愛歌 3
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「お前…ッ!!!俺?!え、あれッ?!ど、ドッキリ?」
俺の馬鹿みたいな独り言にも耳を傾けず、
もうひとりの俺らしき男は語る
「お前、本当はいじめてくる奴らに言い返したいんやろ。いじめてくる奴らを見返したいんやろ。」
男の言葉は本当にその通りで、少しヤな気分になる。
「…せ、せやけど。俺は終わりもしないいじめが止まるのを待ってるだけで。…結局俺は何も出来ていないの。」
言っている最中も、過去の自分の
くだらない文句を思い出す。
少し呼吸が苦しくなってくる。
これじゃあ何も変わっていないじゃないか。
「…お前は、今までの記憶を消したいか?」
俺が一番思っていたことを
男に問われ、ついカッとなって言ってしまった。
「ああそうだね!!俺は消したいんや!!だから忘れようと思ってるのに…!忘れられへんの…。」
男は、俺の泣いている姿を見ると
黙り込んで、何かを考えているようだった。
ああ…俺はいじめなんか忘れて皆と
笑いあっていたいだけなんだ。
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