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劇場愛歌 10
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俺はただただ必死に走った。
走って走って走って走った。
曲がり角を曲がると、先輩が通う
俺の志望校が見えた。
校門に着くまでは走るのを止めず、頬に汗を
流して口元はにやけながら走った。
校門に着いて走るのを終えた途端、足に相当な
負担がかかっていたことが分かった。
足が棒のようになってしまい、
曲げることも苦痛だ。
足に違和感を覚えながらも俺が走ってきた方向を
見返す。キヨはまだ走っていてとても焦れったい。
「…はぁあ、…ッお前、いきなり走り始めたと思ったらノンストップかよ!!!普段全然体力ねぇクセにこういう時だけやけに体力長持ちすんのやめろよ!!!」
やっとキヨが追いついたかと思えば、来ていきなり
愚痴を聞かされる羽目になる。
「えー…だって全然疲れなかったし…。」
と言うと、キヨにぶっ叩かれた。
キーンコーンカーンコーン……
授業の終わりを告げるチャイムがなる。
「よし、フジ、入るぞ。」
キヨにそう言われる。
いざとなるとやっぱり怖くて、心臓が煩くなる。
キヨに無理矢理手を引っ張られ、
学校の中に入る。
「何してるの!」
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