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劇場愛歌 15
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uz side
ひと通り荷物運びや組み分けが終わる。
「牛沢さん!本当に助かったわあ(^^)ありがと!」
「いえいえ、また何かあれば」
それだけ言い、先生の元を去る。
早く戻らないと。レトルトが待ってる。
レトルトが寂しがっている。
急いで階段を駆け上がった。
「…何だあの騒ぎは?」
俺のクラスからだ。何かあったのだろう。
「すみません、通してください。」
同級生や先輩方に頭を下げながら前まで行く。
途中で同級生に語りかけられた。
「おい牛沢!!!香坂が殴られたり蹴られたりしてるけどほっといて平気なのか?!!」
「…………………………………は?」
確かに、耳をすませば聞き覚えのある泣き声が
聞こえてくる。
早く…。早く助けないと…。
グッ
俺の思考をすべて察したように、
もう1人の同級生が
「…今行ったらどう足掻いたってお前もあの立場になるぞ。いいのか?」
と冷たい声の調子で俺に言う。
その言葉に足が止まって
俺は行けなかった。
観衆の冷たい目と言葉が痛いくらいに
突き刺さる。
「お前らも香坂と友達だって大親友だって!…いくら信用していたって行けねぇくせに俺ばっか責めんじゃねぇよ!!」
なんて言えるものなら言いたかったが、
次の瞬間、そんな思考もすぐに消えた。
「すみません、退いてください。」
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