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劇場愛歌 21
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【もう1人のrt side】
俺、レトルトは、夢の中で俺に告げた。
「タイムリミットは5日間。
5日間、死んでくれへん?」
急そんな無茶なことを言うから、俺である男は
呆然と俺を見る。
そんな顔で見られても。
「は?な、なんでや。」
男が聞く。仕方ない、クソめんどいけど
俺は全てを話した。
妬ましさで生まれたとか、
5日後必ず死ななきゃ身体が腐り始めるとか、
5日間の間は幸せにしてやるだとか。
全部話した上で、男は承知し、
「なんか死んでもいい気がしてきた…。」
なんて呟いた。
本当に馬鹿な奴だ。
昔の俺と全然変わらない。
俺はそいつを鼻で笑うと、ランプの火を消して
男を現実に引き戻した。
「…レトルト。俺な、嘘ついてしまった。」
そう。
今の会話の中で
俺は嘘を吐いた。
【タイムリミットは5日後】
そんなの嘘だ。
本当は………………………………………。
「…ッはは、収まれよ…!!」
心臓の高鳴りがうるさい。収まるどころか
どんどん強くなるばかり。
そんな醜い俺が嫌で、自分にも鼻で笑った。
嘘を吐いたのは、
俺が現実から逃げたかったからだ。
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