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劇場愛歌 27
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取り敢えず喧嘩は見苦しいので、
止めるように声かけする。
「キヨくん!フジくん!やめて!」
すると2人の喧嘩はぴたっと止まり、
2人とも相手の方を向き合って謝る。
あとなんか知んないけど俺にも謝ってくれた。
そこはえらいで。
状況を良く飲み込めていないヒラくんは、
俺の裾をくいッと引っ張りながら
「あの…、何があったんですか?」
と困り声で俺に語りかける。
正直俺にもよくわからなくて、
「ごめん、俺にも分からない」
という。
ヒラくんはニコッと笑ったあと、
そうですか、と呟くと立ち上がり
ゴスッ
2人の頭を思い切り殴る。
「いってぇ!!」
「何すんのヒラ!!!」
2人とも本当に痛そうで、
フジくんに関してはもう泣いてる。
「えー、お仕置きだよ。今はレトルト先輩がいるの。だからこれ以上醜い真似してレトルト先輩を困らせたら…」
そこまで言うとヒラくんは俺に見せないように
何かを取り出し、二人に見せた。
「う、うおお?!それはヤベェってヒラ!!」
「犯罪者!!!殺人鬼ー!!!」
…大体察した俺は、なんだかこの空間が怖くなって
帰ることにした。
「…さ、3人とも、今日はありがとう。俺、そろそろ門限だから帰るね、ばいばい!!」
「あ、待ってレトルトさん!!」
キヨくんが呼び止めるけど、
俺はそんな声も無視して家を出た。
家を出て見えた光景は、コンビニと老人ホームがある
俺が毎日通る道だ。
意外と家が近いことに驚きを隠せなくて、
この家の表札を見る。
【清川】
清川…??あ、キヨくんか。
それだけ理解すると、俺はすぐ自宅の方向へと
足を運んだ。
初めてだなぁ。
初対面の人とちゃんと話せたの。
俺はこの時点からもう幸せが始まっているんだと
思ってた。
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