アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
22 伊野尾side
-
俺は最低なことをした。
知念と山田は付き合ってる。
それを知ってて、知念のこと、襲ってしまったんだ。
山田と知念は仲が良くて、周りもみんな応援してる。
俺は知念より年上だけど、嫉妬しちゃって。
あの笑顔の可愛い知念が、山田の前で弱ってるところを見せてることに胸をざわつかせてた。
山田になんかに敵うわけないのに。
「 ねぇ...今日は、今日だけ、俺のものになってよ... 知念。 」
こんなこと言っていいはずないのに。
わかってた、知念は山田しかみてないって。
俺も有岡大貴という恋人がいる。
大ちゃんを傷つけることもわかってた。
最低な恋人ってことも、メンバーとして最低なことも。
でも、泣きながら涼介涼介って呼んでる知念を見て、
また抑えかけていた心がざわめきだして
激しく抱いてしまった。
同時に果てたあと、知念は沢山泣いてた。
「 涼介、ごめん 」 って。
知念は悪くないのに。俺が勝手にしたことなのに。
その時、やっと正気に戻った。
頭にふとよぎったのは、知念でも、山田でもない。
他でもない、大ちゃんの笑顔。
俺は、あいつの笑顔のそばにいていいんだろうか。
こんなことしてしまった、険悪な自分が
あんな眩しい笑顔のそばに。
「 ごめんな、知念。 」
やっとの思いで知念に謝った。
許してくれるとは思ってなかった。ただ、このままじゃ、
自分が自分を許せないと思ったから。
「 いのちゃんは僕だって、大好きだから... 」
その言葉を聞いて、驚いた。
あんな酷いことをしたのに、大好き って。
いのちゃんの温もりは知ってるから って。
それを聞いて、いきなり大粒の涙が溢れ出した。
そうだ。知念は、こんなやつだった。
相手が何をしようと、自分を大切にしてくれる人や、大好きな人を大切にする、優しい子だ。
知念は、泣き出した俺に戸惑わず、
ぎゅっと抱きしめてくれた。
山田にもちゃんと謝らないといけない って思ってた。
でも今俺が心から、心の奥底から謝らないといけないのは、大ちゃんだ。
許してくれるかわからない。
でも、これから先、俺は有岡大貴しか愛さない。
いや、大ちゃんしか愛せないんだ。
知念が俺に言ってくれたように、
大ちゃんの温もり、優しさ、笑顔。
すべて知ってるから。
今まで大ちゃんが俺にしてきてくれたこと。
その恩返しもできてない。
傷つけたまま、離したりなんかしない。
抱きしめ合ったまま、しばらく涙が止まらなかった。
ちょうどその時、
閉まっていた寝室の扉が開いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
24 / 172