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25 知念side
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僕が風邪を引いてからは、涼介が全て料理をしてくれるようになった。
ふとキッチンを見ると、ひとりごとを呟きながら
手を動かす涼介。
元々料理が上手な涼介は文句一つ言わず、僕の分も作ってくれるから、その間僕は溜まっていた本を読んでいた。
「 知念、ご飯できたぞ〜 」
「 は〜い 」
今ではこれが日常茶飯事。
掃除も手伝ってくれたりするしなんだか申し訳ないな...笑
「 んー、やっぱおいしい。 」
「 それはよかった。 」
やっぱり涼介の腕はたしかで、毎日飽きないメニューを考えてくれる。
ご飯を食べ終わったあと僕は洗い物をして、2人分のコーヒーを入れようとした。
コーヒーのビンの横にあった小さいビン。
「 なんだろ、コレ…。 」
僕は買ってないし、置くとしたら涼介しかないから、
どうしても気になった。
「 涼介? これ、なに〜?? 」
そう言ってヒラヒラとビンを揺らしながら涼介に見せた。
「 あ〜!それ、大事なもの。使うなよ? 」
そう言ってまたテレビの方に目を向けた涼介。
少し にや、と笑った気がした。
なにやら大事なものでその上使うなと言われたから元あった場所に直した。
「 はい、どうぞ。 」
「 お、ありがとな 」
何を見てるんだろうと僕もテレビを見ると、かかってたのはニュース。
しかも涼介は何か違うことを考えてる上の空のような顔をしてた。
テレビや映画で忙しい涼介だから、相当疲れてるんじゃないかな。
そう思いながらしばらく涼介を見つめてた。
「 ん?何かついてる? 」
しばらくして涼介は僕の視線を感じたみたいで、そんなことを言ってきた。
「 ううん、涼介忙しいから大変だなぁって。 」
「 はは、そんなことないよ?ちぃちゃんとイチャイチャする余裕はあるかな〜っ 」
「 んも〜。 」
やっぱり涼介はいつも余裕そうな顔をする。
でも今日はいつもと違った。
「 知念〜 」
「 どうしたの? 」
涼介がいきなり名前を呼んできたからそれに返事すると、
ニコッと笑ってふわりと抱きしめられる。
「 どうしたの〜っ 」
「 うん、息抜き。あ〜っ、落ち着く。 」
膝の上に座るように誘導されて、後ろから手を回す涼介。
「 今日の涼介、甘えたさんだね? 」
「 そう?知念の匂いが落ち着くんだよな。 」
「 柔軟剤は一緒なんだけど。笑」
「 知念そのものの匂い。 」
僕そのものの匂い...。 普通に聞くと変な意味に聞こえるよね。
でも、甘えてくる涼介も好き ... なんちゃって。
いや、好きだけどね。
そうしてしばらく涼介の腕の中で収まってたら、いつの間にか寝てしまっていた。
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