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41 山田side
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笑ってパタン、とドアを閉めた圭人。
嘘だ、この状況で笑えるはずがない。
無理しなくていいんだよ、圭人...。
とりあえずあいつを追っかけないとまた酷い目に合ってしまうような気がしてならない。
「 知念、俺、心配だし圭人家まで送ってくるわ 」
「 う、うん!よろしくね!涼介まで危ない目に合わないでね! 」
そう言った知念に軽くキスして、行ってきます、と言ってドアをしめる。
走って圭人を追いかけた。
あ、あの背中、圭人かな...?
「 はぁ...っ、はぁっ、圭人! 」
一瞬ビクッとして、スタスタと歩いてく圭人。
え、俺今無視された...?
「 圭人...、おい待てって、圭人! 」
小走りな圭人を走って追う。
「 圭人....!! 」
手を引っぱると、反動で振り返った圭人の顔は、
もう涙でぐちゃぐちゃだった。
「 え....、どした、の...? 」
「 なんでも、ない、から... 」
目を合わせようとしても合わせてくれない。
視線をそらして嘘をつく。
「 なんでもないわけないだろ!? 」
しまった、大声出しすぎた。
驚いた圭人は震えながら後ずさりする。
俺...何やってんだよ。1番怖がらせちゃいけない時に大声出したりして...
「 あ、ごめん...。つい大声出しちゃって... 」
「 だいじょ、ぶ...。 」
気まずい空気が流れる。圭人の涙もおさまらないまま。
「 ...とりあえず、お前の家まで送ってくから。 」
「 .....。 」
俺達の前では、笑って我慢してた。でも、圭人も怯えてるんだ。
何が起こるかわからない、今 に。
「 やまちゃん...? 」
そう思ったら、いてもたってもいられなくて。
怯えてるその体を、ぎゅっと強く抱き締めた。
もう大丈夫だよ、って知らせるように。
しばらく経って圭人が泣き止んだところで、ゆっくりと離した。
「 ん、圭人ん家、帰ろうか。 」
「 うん...! 」
その後は気まずさも消えて、他愛もない話をしながら圭人の家に着いた。
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