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47 山田side
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「 別れよっか 」
...その言葉がさっきから頭の中をループしてる。
俺は、さっき出ていった恋人に別れを切り出された。
正式に別れたのかどうかは分からないけど。
横でいつの間にか寝てる圭人に服を着せて、寝室まで運んだ。
圭人の家の中にある俺の荷物をもって外に出る。
「 雨か... 」
誰かに意地悪されてるかのような土砂降りの雨。
家に帰ってる途中、涙が止まらない。
それは頬をつたる雨粒と一緒に流れていく。
ぶるっと身震いしながら雨の中を歩いて帰った。
「 ただいまー... 」
部屋は真っ暗。 何時間か前、ここで知念にキスして出かけたことが懐かしく感じる。
知念は...どこへ行ったんだろう。
でも確実にわかることは、今日この家には帰ってこない、ということ。
家に着いても一人で泣きじゃくる。
知念...、俺はお前が好きなのに。
どこにも行くなよ...。
ずっとそばにいるって、約束したじゃん。
なんで...、聞きたいのはこっちだよ...。
その時、ケータイが鳴った。
誰だよこんな時間に....。
画面には「大ちゃん」の文字。
「 ...はい 」
『 あ、山田?え、お前泣いてんの? 』
「 ... 」
『 ま、まぁ、要件だけ伝えとくね〜、
知念が土砂降りの中泣きながら家まで来てさ。
家に入ってもしばらく泣き止まなくて、今お風呂入らせてるの。家には帰りたくないって言ってるから、しばらくこっち泊まることなるかも...。 」
「 ....わかった 」
『 大丈夫か?山田も... 』
「 ......大丈夫じゃないよ...。俺は、知念がいないと... 」
『 ...でもお前、圭人とヤったんだろ?しかも好きまで言ったって... 』
「 あれは ... 」
『 山田...?』
「 ........ 」
“おい、山田!”
画面の向こうでそう叫んでる大ちゃんを無視して電話を強制終了する。
....もう、どうしろって言うんだよ......。
知念がいない1日は、妙に長くて、暗かった。
その日が終わり寝る時間が近づいてきて、ベッドに入る時
いつもは2人で寝るベッドを1人で使ってる、
そう考えたら、眠れなくて。
結局その日はソファで寝ることにした。
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