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48 知念side
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シン....としたお風呂の中を、1人で浸かる。
いつの間にか涙はとまってて。
「 知念?着替え、ここ置いとくね。 」
「 あ、ありがと...いのちゃん。 」
涼介が圭人に言った「好き」って言葉が頭から離れない。
圭人に抱かれて鳴く涼介。僕が来る前にも、愛は確かめ合ってたのかな...。
自分で強がって別れようなんて言ったけど、
ほんとは僕だって別れたくない。
でも、涼介が圭人と居たいなら、自分は仕方ないと思ったんだ。
また溢れそうになる涙を堪えてお風呂から出る。
髪の毛を乾かし服を着替えて大ちゃんたちの所へ行った。
「 お、知念〜 あぁ、やっぱりいのちゃんのでかかった? 」
「 ううん、大丈夫。 」
やっぱりこの服いのちゃんのか。
ちょっとだけでかいな、と思ってたんだけどね 笑
大ちゃんの横に座って、いのちゃんが入れてくれたお茶を飲む。
「 ...ごめんね、いきなり来ちゃって 」
「 ううん、全然。 」
二人が心配そうな顔で見てくれてる。
今の僕、そんなに酷い顔してるかな...
「 知念はさ、山田のことまだ好きなんでしょ? 」
「 おい、いのちゃ... 」
「 ....好きだよ。 だけど、涼介には幸せになってもらいたいの...。他の人に言った好きって言葉を、偽って僕に言って欲しくない。 」
「 知念.... 」
“ 偽って ” そう言った言葉が今までの涼介との思い出を思い出させる。
嫉妬してくれた日、看病してくれた日...。
僕の目の前でご飯を美味しそうに食べる顔、弱々しい顔。
狼みたいに襲う時の目も、抱かれて下で鳴く目も。
知念って呼ぶ声も、侑李って呼ぶ声も...
「 大好き 」って言う声も、「 愛してる 」って言う声も、照れた顔も、全部、全部.....。
嘘だったなんて思いたくないよ、涼介.....。
思い返して、また涙が流れる。
「 知念...無理すんな。好きなら好きでいいんだよ... 」
「 け、とに、ひっく、好きって、言って、た時...
ほん、とに、つらく、て...ひっく、う...っ 」
「 うん...辛いよな。 」
「 とりあえず今日は、ゆっくり休んだ方がいいんじゃない? 」
「 そうだね...、知念、ベッドで寝ていいから、もう寝な?あ、お腹すいてない? 」
夜ご飯は食べてないけど食欲なんてない。
僕は首をフルフルと振った。
「 そっか...、お腹すいたらそこら辺にあるものなんでも食べていいからね。明日、またゆっくり話聞かせて? 」
「 う、ん... 」
手でゴシゴシと目を拭いてたら、
「 そんなことしたら目、腫れるよ... 」
と言って、いのちゃんに目から手を離される。
代わりにその手には濡れたタオルがあった。
「 知念、目、真っ赤...。これ、目の上に置いときな? 」
「 ありがと... 」
寝室に向かう途中の鏡で自分の顔を見て驚愕した。
目は真っ赤で少し腫れてる。ひどく疲れたような顔。
本当に休んだ方が良いような顔をしてた。
本当は僕がソファとかで寝た方がいいのに、そんなことにまで頭がまわらずに、
寝室に入って、きちんと敷かれた布団に入った瞬間に
意識は途絶えた。
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