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「 俺... 知念がいなくなってから、ずっと同じ夢ばっかり見てさ... 」
涼介が話し始めて、自然とドアを開ける腕が止まる。
「 起きたら...必ず泣いてんの。弱いよね...男のくせに。 」
僕がいなくなってから...。
...そんなことないよ、涼介。
「 家に帰ってきて、楽しかったことや辛かったこと、一番に話すはずだった知念がいない時、改めてお前の存在の大きさがわかった。 」
「 だから、何...っ」
「 お前のこと、幸せにさせてやれなくてごめんな...。辛い思いばっかさせて、ごめんな... 」
「 ..... 」
「 でも、それでも俺は...、知念と出会って後悔したことなんて、一度もないんだ。 」
「 ....っ 」
「 俺は... 知念が好きだよ...。 」
「 涼介......っ 」
僕は、涼介の腕の中に飛び込んだ。
ごめんね、ごめんね...って謝りながら。
「 りょ、すけ...っ、酷いこと、いっぱいして、ごめんね... 僕、も... 涼介が、すき...っ 」
「 ほんとに? 」
涙でいっぱいの顔で、精一杯頷く。
「 よかった....っ 」
涼介も精一杯の力で抱きしめてくれる。
「 俺、もう知念に嫌われたと思って.... 」
「 そ、んなわけ...、ないよ、涼介.... 」
しばらく玄関で泣き続けた僕。
落ち着いてから、また上にあがる。
「 ...あの時の記憶が圭人は無くて。好きかって聞かれて戸惑ってたら身体壊れちゃうと思って好きって言ったんだ...。ごめんね。でも俺が好きなのは、知念だけ。 」
「 そ、だったんだ...、話も聞かずに、ごめん... 」
ううん、と涼介は首を横に振る。
「 大好きだよ...知念。 」
「 僕も、大好き...っ 」
5日ぶりに触れ合う唇。
口を離すと、ふふっ と目の前で笑う涼介。
ごめんね、涼介...。
僕はずっと涼介に言わなきゃいけないことを伝えた。
「 素直になれなくて、ごめんね...?僕、どうしたらいいかわかんなくて。 それで、涼介に酷いこと言っちゃって...。でも僕、ずっと涼介が大好きだったよ...。」
涼介の綺麗な顔に涙が流れる。
それを見て、指で涙を拭って自分からキスをする。
「 ずっと...僕の隣にいてね? 」
「 当たり前だろ...。幸せにするから。 」
僕の前でまたニコッと笑った涼介は、
僕の体の一部かのように光として差し込んだ気がした。
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