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64 伊野尾side (いのあり)
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今日は大ちゃんと夏祭りにきた。
俺はだいたい約束ぴったりを目指して来るんだけど、今日ばかりは別。
約束の10分前、集合の時計台の下で大ちゃんを待つ。
「 あっつ〜... 」
すると、パタパタと前方から走ってくる人が見えた。
「 大ちゃん!こっち〜 」
時計台の下って言ったのにキョロキョロと探す大ちゃんに手を挙げてサインする。
「 いのちゃ〜ん!待った...? 」
「 んーん、全然。」
平然を装ってるけど全く平然ではない。
自然と大ちゃんをまとってるものに目がいく。
「 ...似合ってるじゃん 」
「 へへ、ありがと。いのちゃんも似合ってるよ〜 」
照れ隠しか、にへっと笑う。
...可愛すぎでしょ。
「 よし、行こっか! 」
「 うん! 」
並んでる屋台を2人で歩きながら見て回る。
「 いのちゃん!みてみて、あれ! 」
子供みたいに好きなものを見つけてははしゃぐ大ちゃん。
手にはりんご飴をもってる。
「 俺にもちょうだい?りんご。 」
「 いいよ〜 」
ん、と突き出した左手からりんご飴を受け取る。
...間接キスってやつ。
普段普通にキスしてるから何とも思わないんだけどね笑
そんなことを考えながら歩いてたら、さっき俺の右側にいた大ちゃんがいなくなってた。
周りを見回すけど、とりあえず人が多くていたとしても見つけられない...。
「 大ちゃん? 」
人混みをかき分けて大ちゃんを探すけど、全く見つからない。
うそでしょ...迷子?
「 大ちゃん!いたら返事して! 」
そう叫ぶ俺の声も、虚しく人混みの中に消えていった。
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