アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
79 伊野尾side
-
昔からずっと一緒の大ちゃんが...
好きなことが、当たり前なんだって勝手に思ってた。
ずっと...ずっと、複雑な気持ちで。
大ちゃんに告白したらこんな複雑な気持ち、しないで済むのかもって思ったんだ。
「 俺...大ちゃんが好きなんだと思う。 」
「 え...? 」
大ちゃんの戸惑ったような顔。
「 だから!大ちゃんが好きなの! 」
「 ごめんいのちゃん...俺、いのちゃんとは付き合えな... 」
大ちゃんが言い終わる前に、楽屋の外で何かが落ちたような音がした。
ドアから顔を見せたのは、髙木だった。
チクリ、と胸が痛む。
なんで... 俺が好きなのは、大ちゃんでしょ...?
でも、なんだか髙木には知られたくない。
咄嗟に出てきたのは... ドラマの台詞 という嘘。
その嘘に、大ちゃんも乗せてくれた。
それを聞いた髙木は、「頑張ってね」って言ってくれて。
...なのに、なんでそんな悲しそうな顔するんだよ...。
仕事が終わって、楽屋に戻ったあと。
「 髙木〜 今日飲みに行かない? 」
「 あ...うん。」
髙木を飲みに誘った。ちょっと躊躇った感じはしたけど、ちゃんとOKはくれた。
髙木には、やっぱり本当のことを話そうと思ったんだ。
「 ......で、振られた、ってこと。どう思う?ひどいよね〜笑 あ、嘘ついてごめんね? 」
「 ううん、大丈夫。そっか〜、伊野尾くんもついにフラれたか〜笑 」
ついにってなんだよ、と心の中でツッコんで、お酒を飲みながら食べる髙木を眺める。
...あの時、悲しそうな顔をしたように見えたのは、気のせいなのかな...。
話を聞く時も真面目な顔して、話し終わると笑顔で受け入れてくれた。
あの時、なんで髙木には知られたくないって思ったんだろう。
...自分の気持ちが、わかんない.....。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
82 / 172