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扉の影から見てるのが、何故か申し訳なかった。
でも...ただ呆然と、髙木と知念を眺めていた。
「 ねぇ...僕じゃ、だめなの...? 」
顔に優しい笑みを浮かべて、ふふ、と笑った髙木。
「 知念は...優しいな... 」
「 ゆう、や... 」
髙木は、知念をぎゅっと抱きしめた。
これ、って.....
「 雄也、いのちゃんばっか見てないで...?僕だけ、見てよ...... 」
「 ......知念。俺、知念の気持ちすごい嬉しいよ。 」
ズキ、と胸が痛む。
このまま、髙木と知念は.......
「 ...でもね、俺...伊野尾くんを諦めることが出来ない...。伊野尾くんが俺になんて興味なくても、有岡くんのことが好きでも...諦めきれないんだ。 」
「 なんでぇ...っ 」
「 ...それだけ、好きなの。伊野尾くんのこと...... 」
それだけ言うと、髙木の顔にまた一筋の涙。
こころなしか、知念を抱きしめる力が強くなった気がした。
「 ゆ、や... 」
「 ごめんな...ごめんな、知念... 」
その時、知念と髙木の唇が...一瞬だけ、重なった。
驚いたような髙木に、
「 これで、雄也のこと、諦められるね... 」
と呟いて髙木から離れ、走り去った。
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