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91 伊野尾side
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ただただ、声を殺して泣いてる髙木を休憩スペースに座りながら横で眺めてる。
屋上から知念を追いかけた髙木が、気になって。
いけないってわかってたけど、後を追ったんだ。
知念に背を向けて歩き出した後、角を曲がったところで声をかけて...。
「 髙木... 」
「 俺...合ってたかな...。知念に、あんな言い方して...合ってたのかな... 」
髙木は、見た目のわりに本当に中身が優しいから、人の心配を人一倍してる。
知念の頭を笑顔で撫でて、振り返った途端に涙流したりしてさ...
かっこつけちゃってんの.....。
「 髙木...ごめんな、あんな言い方して... 」
楽屋で声を荒らげたこと、それが1番気になってた。
髙木は目を拭きながらゆっくり首を振った。
「 大丈夫だよ...。伊野尾くん、ほんとに有岡くんのこと好きだもんね... 」
「 ちが... 」
「 もういいよ、伊野尾くん...。ドラマの台詞っていうの嘘なんでしょ?知ってるんだ、俺、伊野尾くんが有岡くんを好きなこと。だからもういいよ、気遣わなくて... 」
違うんだ、髙木...
俺の好きな人はお前だよ....
たったそれだけを言えばいいのに、ショックで喉の奥から言葉が出なかった。
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