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94 有岡side
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部屋の中で静かなリップ音が聞こえた。
やっと結ばれた2人。
よかったんだ、これで____...
「 有岡くん! 」って無邪気に笑うあいつが
俺は好きだった。
静かに流れる涙をゴシゴシと拭く。
あいつが「伊野尾くんが好き」って俺に相談してきた時
どれだけの欲望が俺を襲ったかわからない。
でもそれだけ君が好きだったんだよ........髙木。
伊野ちゃんが俺のことを好きだってことは薄々気づいてた。
伊野ちゃんと付き合って髙木を諦めさせてやろうとも考えた。
けど、それは誰の得になるんだろう。
伊野ちゃんと俺が付き合ったところで、俺の気持ちは伊野ちゃんには向かないし髙木の気持ちも俺には向かない。
伊野ちゃんが本当は俺じゃなくて髙木が好きだってことも
2人が実は両想いだなんてことも
全てわかってた。
コツコツと響く廊下を1人で歩く。
いつかは奪い返してやろうなんて、ね。
多分これからずっと俺の気持ちは揺るがない。
髙木以外は見られないと思う。
それでも俺は、2人の幸せを願った。
これからは前だけを向いて歩いてくよ。
伊野ちゃん、ちゃんと髙木を守らないと
次どんなターゲットが現れるかわからないよ_____?
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