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「おはよう!」
「あ!高槻君?
おはよー!どうしたの?
病室を訪ねて来るなんて!」
俺を見るや否や
驚きと嬉しさの表情を
ばっと向けたと思うと
すぐにころっと表情を変え
不安そうな顔になった。
おそらく俺の退院を察して
会えなくなることを
危惧したのだろう。
ほら。やっぱり。
来てよかった。
何も言わずに去っていたら
こいつを傷つけていたかもしれない。
大げさかもしれないけど。
本当にこいつは話さなくても
全て分かってしまうほど
顔に出やすいなと思った。
でもそこが好きだなんて思ったり。
なぁんかほっとけないなー
なんて思ったり。
「今日退院になったんだ!
それで挨拶しにきた!
朝早くから押しかけてごめんね!
平日は無理だと思うけど
週末になったらまた会いに来るよ。」
「え?検査なら外来だから
こっちにはもう来ないんじゃ…」
「言ったろ?
お見舞いに来るって!
それに、友達なんだから
会いに来るのは普通だろ?」
「友達…本当に…来てくれる…
あ、ありがとう。嬉しい…!」
珍しく言葉に詰まっている
葵の顔をみると
目には涙がたまっていた。
満面の笑みに涙。
本当に、こいつは。
「馬鹿だなー。何泣いてんの。」
「泣いてないよ!流れてない!」
「そんなドヤ顔されても…。笑
そこまでなると泣いてるのと
同じようなもんじゃんか。
どうせこれから落ちるよ。ほら。」
「落ちる前に拭いたからセーフ!
泣いてない!」
「頑固者。笑」
ぷっ、あはははは!と
大きな声で笑う俺を見て
葵も腹を抱えて笑っていた。
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