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子供のような貴方が2
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「うぅん....?」
がやがやとした居酒屋とは打って変わってしーんとしていた簡素な部屋に、微かに声が響いた。
ぼんやりと手持無沙汰に眺めていたスマホからハッと目を上げれば、すこし取り乱して緊張気味なぺんちゃんの姿が見えた。
電気もつけられていない薄暗い部屋でもぞもぞと布がすれる音が響く。
ぼんやりとしろく盛り上がったシーツへと視線を動かした。
「...ん?..あれ、ここどこ?」
寝起きだからか少し掠れた声が漏れた。
ごそごそと動き、白いシーツからぴょこんと頭を出す。
窓から差し込む月明かりに照らされて早くも寝癖のついたふわふわとした髪が揺れ動いている。
「...loveさん。」
「...?....ぺいんとさん?」
ぼそりと独り言のように呟かれたぺんちゃんの声を敏感に拾ったloveさんがきょろきょろと部屋を見渡して俺らを見つけると、慌ててベットから飛び降り駆け寄ってきた。
心なしか尻尾の見えるような、そんな仕草で。
「ともさん!ぺいんとさん!すみません、僕寝ちゃったみたいで...!」
疑いの欠片もない純粋な謝罪。
感じた疑問は既に忘れたか。
申し訳なさそうに眉尻を下げ、ぴょこりと頭を下げる。
__つきん、と胸が痛んだような気がした。
「ここ、どっかのホテルですよね?すみません!僕払うんで、お二人はベットに...
「違うよ。」
「はぇ?」
慌てたように取り繕うloveさんの言葉を耐えられず遮った。
これ以上聞いていると良心が顔を出しそうだった。
こんなやり方でごめん。
相方がいるのを知ってるのに、ごめん。
でも、もうやめない。
想定外の返事に素っ頓狂な声を上げたloveさんがこてんと首をかしげる。
一つ一つの動作が、やけに艶めかしく見えたのはこの先を知っているからなのか。
ゆるりと立ち上がれば既にloveさんに歩み寄っていたぺんちゃんが彼をゆっくりとベットに押し戻す。
「違うよ、loveさん。」
「違うって、なにがですか?」
「ごめん、love氏。」
「なんで謝るの?」
とさりと軽い音がしてloveさんがベットに腰を落とす。
男2人に見下ろされて、それでもなんの警戒心も持たず見上げてくる彼に、何か獰猛なものが首を擡げるのを感じた。
「ごめんね、loveさん。」
たぶん、これが俺の良心の最期。
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