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囚われの人5
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side朱梨
「てかさ、なんでみんなスキンの見た目なん?うち動きにくいんやけど。」
出会ってから、なんやかんやあって聞けなかったけれど、ずっと不思議に思っていた。
ここにくる前、自宅におったときは確かラフな格好していたはず。Tシャツにジーパン……だったような。なのに、今は甚兵衛のようなピンクの着物を着ている。きゅっと腰元で結ばれた帯が息苦しい。そんで、頭には小さなピンクの花飾り。やけに背中がすーすーするのは穴でも空いているのだろうか。
「そういえば、ぺんちゃん黄色いね~」
「と、ともさんだって赤いじゃないですか!」
相変わらずぺんちゃんをからかうともさんの髪は映える赤に染まっている。白いYシャツに羽織るように着た長い黒の上着が細身の彼に、よく似合っている。
ぎゃんぎゃんとともさんに噛みつきかえすぺんちゃんはともさんの言うとおりなんだか全体的に黄色い。戦隊もののような黄色い繋ぎに、黄色のスカーフを首もとに巻いている。現実ではくるくるの黒い髪は茶色のストレートに変わり、片目をかくして厨二臭い。
そして
「まぁまぁ、いーじゃないですか!皆さんかっこいいですよ!!」
はしゃぐloveさんの髪は鮮やかな金髪で一房だけ水色に染まっていた。長めの前髪で隠れそうな大きな目は澄んだ空色でなんとも綺麗。少し大きめなのか、猫耳フードのクリーパーカーの袖からちょこんと指先が出ている。……可愛い。くふふ、と笑うたびに口元に持っていかれる手は常に萌袖状態ではっきりいって目に毒だ。可愛いすぎる。
これは男どもには見せたくない!とは思ったものの、先ほどから奴らの目は彼に釘付けでもう、遅かったのだと歯噛みした。
「ま、まぁ、そうやな!えーからもう行こうか!」
「そーですね、行きましょー!!」
とんとんと軽い足取りで彼が見つけた部屋に入っていく。
遠足をしている園児のようなはしゃぎっぷりにふふ、と笑みがこぼれて
……ぞわり、と嫌な予感がした。
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