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高校一年の冬。
忘れもしない出来事があった………
段々と春に近付いて来ているなと感じさせる程の気温
こんな天気には散歩がしたくなる
俺は一人で公園へと向かった。
そこは俺のお気に入りの場所で、少し遠いが大好きな場所だ。
あまり人も来ないし静かにできる
あそこで吸う空気は味もしないのに美味しいと思ってしまう
「あれ。珍しい」
その公園には大きな木が生えている。
それを見つめる大人の男性が居た
髪は短髪で真っ黒、風になびく度に見える整った顔
その立ち姿が色っぽくて俺は目が離せなかった
「………綺麗」
思わず発してしまいボソッと呟いたその言葉が聞こえたのか、俺の方を向き目が合う
「え、あ、あの!ごめんなさい!!」
慌てて言う俺に男性は大声を出して笑っていた
格好良い人は笑顔も様になる
「いやー、それは初めてだ」
笑い終えたのか目尻から出ていた涙を拭う
特に変な事を言った記憶が無い俺にはさっぱりこの状況が掴めない
「あ、あのー………」
「あぁ、ごめんね。ちょっと面白くて」
どこに面白さがあったのか未だに分からない俺はポカンとしていた
「君、木登り得意?」
「え、いや、そんなに…」
突然投げかけられた言葉に驚きながらも正直に答える
それを聞いた男性はまた木を見つめる。
そこには枝に絡まったマフラーがあり、突然の質問に理解した俺は男性に近寄る
男性は木に登ることが出来ないのだろうなと勝手に解釈した
「取りますね!」
自信が無いのにも関わらず困ってる人を見るとどうしても自分が動かずにはいられなくなる
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