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ガラリと変わった口調とどこか思いつめた表情をしているのを見ると桐島さんがどれだけ先生の事を大切だと思っているのかが伝わってきた
「…桐島さんが言う事も分かります。
でも、あんな先生が俺は好きなんです。これから先それを桐島さんに分かって貰えるように頑張ります
…だから、安心してください」
眉間にシワが寄って少し辛そうな顔をしていた桐島さん。
自然と出てきた言葉に嘘偽りはない
俺が必死になって伝えた事は桐島さんに届いたのだろう
優しい笑顔に戻り俺の頭を撫でてくれる
「夏樹が陽くんを好きになった理由が分かった気がする
ありがとう。」
先生より少し小さい手を頭に感じ俺も吊られて微笑む
一応これでよかったのか…
なんだかホッとする
と、思ったのは束の間
「おい。お前出て行くか?」
頭上から威圧的な声が聞こえ、俺の頭にあった手は先生が握っていた
「痛い痛い!!撫でてただけだって!!」
「飯作るだけなのに何で撫でる必要があるんだよ」
段々と変な方向に捻れていく腕に俺は慌てて捻っていた手を止める
「せ、先生!ほら。あっち行って待ってて!」
無理矢理引き剥がして先生の背中を押してソファに座らす
時計は18時を回っていた。さっきあんな話をしたからまだ全然出来てない
台所に戻ろうとした瞬間、腕を掴まれてしまう
何かと思い振り返るが目は合わない
「…怪我すんなよ」
先生と今日一日過ごして初めての表情だ
少し恥ずかしそうにしている先生が可愛くて俺は「うん!」とだけ告げて戻った
緩む頬を抑えられないまま炊飯器に米をセットしてスイッチを押した
桐島さんにこの顔のことを突っ込まれるも二人で楽しくご飯を無事作り上げることが出来た
短時間で沢山得るものがあって嬉しい気持ちで溢れていた
理解者がまた一人増え、俺の決意も更に固まった
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