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あれから勉強という地獄の日々が続いた
期末テストまで残り数日となり余計に厳しくなる
先生があんまり忙しくない日は家に行って個別指導。
あの日みたいに変な事はされないけど、学校の時みたいに甘くはない
そして出されたノルマが『全科目50点以上を取る』という事だ
…まあ、普通の人は大体は取れるだろうけど
俺からしたら凄いハードルで…
先生もそこはちゃんと分かってくれてるみたいで、配慮してくれてる
うん。してくへてる筈なんだ………
「じゃあこの問題…笹本!解いて」
解けないと分かっている問題を俺に当ててくる
百歩譲ってそれは良いとしよう。
だけど、2回、3回と回は重なっていき
1回の授業では5回は当たっている
当然俺は分からなくて毎回毎回外れてしまうし、クラスの皆には笑われてしまうしもう散々だ
「はあ…、疲れた」
当てられる様になってから俺の溜息の頻度は増えて、しまいには独り言も増えた
「あれ、陽!何してんの?」
誰も居ない教室でうなだれていた俺に聞き覚えのある声が耳を掠める
「あ!秋人じゃん!」
扉の方を見れば鞄を肩に掛けた秋人が居た
今の時間に居るのは俺と部活してる奴ぐらいだと思ってたのに、まさか秋人まで居たなんて
「秋人こそ何してんの?」
「ちょっと今から西先生の所に行こうかなって」
俺の前の席へと腰を降ろした秋人が微笑みながらそう答える
「あ〜、なんか蓮が聞いてきたな」
「そうそう!それ!蓮がわざわざ教えてくれたんだよ〜。見てこれ!」
そう言って見せてきた2人のメッセージにはこう書かれていた。
『西は多目的教室によく居るって』
『わざわざ陽に聞いてくれたんだ!ありがとう』
『職員室でずっと待ってられたらうぜえだろ』
『俺、蓮の優しい所好きだよ』
『何突然』
『ずっと思ってた事なんだ』
サラッとアピールをしている文を見付けてしまえば、芸能人を見付けた時みたいな女子の反応をしてしまう
「はい!お終い!」
取り上げられてしまったからそこまでしか読めなかったが、ちょっとだけ良い雰囲気かなとか思ってしまった
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