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良い音が響き俺たち2人共が痛みに顔が歪む
先生が痛がって頭を抑え様とした隙に、腕を締め付ける力が少し緩んだ事に気付き両腕を抜く
そして、自由になった両腕で先生の胸を力強く押す
当然の様にバランスを崩す先生から何とか逃げ出し俺は直ぐに下がったジッパーを上げる
「俺秋人の好きな人知ってるし、秋人は絶対にこんな無理矢理に最低な事しない!」
喉が張り裂けるんじゃないかと思うぐらいの大声で俺は先生に訴える
動き出そうとしない先生を横目に俺は玄関で待っている桐島さんの元へと走り出した
一気に距離感を感じてしまい先生が全くの別人だと思ってしまう
あんなに会いたいと思っていたのに、もう会いたくないと思わせる
扉を勢いよく開く。
そこにはフェンスにもたれている桐島さんが見える
桐島さんの顔を見てしまえば安心感が湧き、さっきまで目元まで来ていた涙が溢れ出す
「え、ちょ、何…どうしたの」
心配した桐島さんは両肩に両手を置き、下を向いたまま泣いている俺の顔を覗き込む
フルフルと首を振るがそんなの説得力が無いのは自分でも分かる
…分かっているのに出てくる涙はもう止められない
「……送ってくよ。」
何かを察してくれたのか俺の肩を抱きそのままエレベーターに乗って駐車場に向かった
車へと乗り込みエンジンを掛け発進させる
家に向かう道中会話は無く、俺はただ小刻みに震えていた
まだ、あの怖い顔が脳内をチラついた為だ
俺が素直に聞いていれば先生があんな事にならなかったのか
ずっとそればっかり考えていればいつの間にか自分の家に着いていた。
「………ありがとうございました」
精一杯の声と精一杯の笑顔で呟いた
きっと今の俺の顔は酷い顔だろう
「…きっとアイツに最低な事されたんだよな…
俺が帰って殴っとく。
でも…陽くんは…夏樹の事、…嫌いにならないであげて」
途切れ途切れに苦しそうに話す桐島さんを見ても素直に頷けなかった
頭を軽く下げて俺はそこから立ち去った
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