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授業が終わって起きればまた次の授業。
その間は何も考えずにただ座っているだけだった
窓の外を眺め雲の動きなんか見ていた
怒りや悲しみが浄化されていく様だった
気付けばもう放課後になっていて目の前には蓮と秋人が立っていた
「帰るぞ」
俺の鞄を机に放り投げる蓮とそれを見て笑っている秋人
雲なんかよりもっと良い景色だ
「あ…今日何か予定ある?」
「無いけど」
少し困った表情な秋人が俺に尋ねる
「話があるんだけど…」
「いいよ!」
大体予想はついた俺はそう答える
立ち上がった俺は鞄を手に取った
「俺も行く」
「お前は駄目!」
「じゃあお前も帰れ」
「何で!」
「何考えてんのか分かんねえだろ。コイツ」
「……は?」
いきなり変な事を言い出した蓮が眉間にシワを寄せて秋人と俺の間に割って入った
「大人しく家に帰れ」
「……嫌だ。」
「もう関わんなって」
昨日から散々聞いたその文は俺の中で何かが動いた
「…意味分かん無え。お前も先生も何でそんな事言うんだよッ!お前らなんか大嫌いだ…」
一度も発した事の無い単語はスラスラと口から出てくる
俺は秋人の手を掴み走った
教室から出る瞬間、秋人が蓮に向かって笑っていた事は気付きもしない。
息を切らしながら学校から出て歩道を歩く
少し先を歩く俺は秋人の様子が気になるも後ろなんか振り向く勇気は無かった
「…ごめんな。嫌な思いさせて」
秋人の思いを知ろうと俺が秋人の立場だと考えればズキズキと心が痛む
「大丈夫だよ。蓮が俺の事あんまり好きじゃ無いのは伝わってたし」
わざと明るく振る舞い笑顔を見せてくる
気を遣ってくれているのが申し訳なかった
「でも……「ほら、入ろ!」」
遮られた言葉は儚く消えていき、俺は久田家に足を踏み入れてしまった
秋人に言われ先に秋人の部屋に入って俺は教科書を早速開けた
…いくら喧嘩しているとは言え勉強をしないと言う反抗は後々俺の成績に関わる
少しした後に秋人が入って来てその後ろでは鍵が閉まる音がした
特に気にも止めなかったが次の瞬間秋人の口からとんでもない言葉が発せられた
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