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少し出っ張りがある所に足を置き体重をかけながら登っていく
順調に登っていけばマフラーが手の届く場所にあった
思いっきり手を伸ばす
よし、もうちょっと!
風でなびくマフラーを掴む。後は降りるだけだ
……………………が、しかし
俺はある事に気付く。
「……すみません。あの、…助けてくれませんか?」
そう。俺は高所恐怖症なのだ。
後先考えずに起こす行動は気をつけなければいけないと思っていたのにこのザマだ
自分の失態に溜息をつく。
「プハッ、あははっ、君本当に面白いな
見ていて飽きない」
声を上げ腹の底から笑う彼を見て俺はただひたすらに呆然としていた
「ほら、おいで。」
ニッコリと笑う彼は両手を広げている
「あ、あの。どうやって…」
「大丈夫。怖くない。そのまま俺に向かって飛んでごらん」
無茶な事を言う彼は俺の目をしっかりと見てそう告げる
何故かその言葉は魔法の言葉かの様に俺の体に溶け込む
何も怖くない…。あの人なら大丈夫。
なんの確信もないが俺はフワリと宙を舞った
片手にしっかりと彼のマフラーを持ち、彼の胸へと飛び込んだ
「な?大丈夫だろ?」
目尻が下がり優しく微笑む彼から目を逸らす事が出来なくなる
同性だと分かっていても心臓がうるさくなるのを感じた
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