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◎
俺は春から転任する事になった。
母校だから緊張という緊張はない。
そんな俺は今とても困った状態にある
中学生ぐらいの時に祖父に連れられてやって来たこの公園。
とても思い出がある公園だ
大きな木があってそれはとても立派だ
風が吹けば枝が音を立てる。
段々と強まる風に俺は目をギュッと瞑った
するといつの間にかゆるくなったマフラーが風に運ばれ枝に絡まる
「最悪だ」
俺はあまり無駄な行動はしたくない
しかし、今一人だ
自分が動くしかない。どうしようかと考えている矢先に
「……………綺麗」
そんな声が聞こえてきた
別に珍しい声ではない。小さい頃から言われてきた
そんだけ言われれば誰だって自覚さえするさ。
声の主を見れば割とモテるであろう顔をしていた
格好良いというよりこれは可愛い系と言ったらいいのか
高校生らしきその子はハッとしたのか、焦って俺に謝ってきた
まさか、綺麗と言っておいてそれを謝るなんて初めてで思わず吹き出してしまった
今までは、どこか行きませんか?とか今暇ですか?とか電話番号教えてくれませんか?とか。
まあ、俺が出会って来たのはそんな奴等ばっかりだ
笑っている俺を見てポカンとしている
「あ、あのー……」
「あぁ。ごめん。ちょっと面白くて」
俺の言葉にまたハテナを浮かべている
その子に俺はある質問をした
最初は少し嫌そうな顔をしていたのにも関わらず、俺が困っていると知れば木に登ってマフラーを取りに行ってくれた
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