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どんどん進んで行く車は見た事がない所に辿り着く
俺と一緒に居る所がバレたらマズイから遠くのショッピングモールに来たのだろう
一人で近くの所に行けば良いのに…
なんて心の中の声は本人に届く訳もなく
「着いたぞー。よし、行くか」
帰り方も分からなければ、ここがどこかも分からない。
諦めて俺は車から降りる
後部座席では何やらゴソゴソとしていた
俺の前に姿を現した先生は黒縁のメガネを掛けていた
また雰囲気が違ってとても格好良い
「惚れた?」
俺が凝視していたのか、視線に気付いた先生はメガネをずらして俺の顔と同じ位置で言ってくる
騒ぎ始める心臓。好きじゃなくてもこれは心臓に悪い
「いや、その変装じゃ直ぐにバレるなって思っただけです!」
少しでもバレない様にする為に視線をずらす。
だから、ニヤリと企む様に微笑んだなんて俺には見えなくて
「何だ。残念」
と歩き始めた。
「他の生徒にそんな事言ったら勘違いされますよ」
先々行く先生に追いつこうとその短距離を走る
だから、小さい声なんて聞こえるはずもなく
先生が何かボソッと言った事が聞こえなかった
「何か言いました?」
「いや、何でもない」
〝阿呆。誰が言うか〝
先生の言葉はだだっ広い空気の中に消えていった
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