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校門に一台の黒い車が停まっていた
先生の車だろう
走って助手席のドアを開けて俺が乗り込んで走り出した車。
空気は最悪だ
一体何分経ったのか分からない
明日はデートだと言うのにこれで明日を迎えるのは嫌だ
そう思った俺はもう一度謝ろうと決心した
「先生…さっきはすいませんでした…」
前だけを見て口を開く
先生の表情なんて分からないし怖くて見れない
「…いや、俺も悪かった」
隣から思ってもみなかった言葉が聞こえ、思いっきりそちらを向く
「先生にその言葉全然似合わないですね!」
思わず吹き出してしまった俺の笑い声と共に出た言葉。
先生と目が合いお互いが笑う
「お前ぐらいだよ。俺に謝らすなんて」
そう言って片手を俺の頭に乗せグシャっと髪を乱す
心配症で嫉妬すると面倒臭くてキスが上手い
また新しい先生を知る事ができた
俺だけが知ってるってなると嬉しくなる
重症だ
見慣れた街並みにもう俺の家の近くだと分かった
一軒の家の前に停まった車。
時計を見るとまだ6時前だった
「俺まだ帰りたくない…」
少し寂しくなって先生の方を見てそう告げた
目をまん丸にさせて動かない先生に目の前で手を振る
「…阿呆。明日また逢えるだろ
ちゃんと迎えに来るから起きて待っとけ」
微笑む顔に俺は一つ頷き車から降りた
先生の匂いと車内の柑橘系の香りを身にまとい幸せを噛み締めながら
ガラス越しに映る先生に手を振り、車が見えなくなるまで見送った
「………あー、俺いつまで保つかなぁ…」
車を走らせた先生が深い溜息をつきながらそんな事を言ってるとも知らずに。
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