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ショーも終わって俺は顔だけを先生に向ける
「ぬ…れちゃい、ましたね…」
途切れ途切れになったのには訳がある。
濡れた前髪を搔き上げる仕草が色気があり過ぎて、見惚れてしまったからだ…
なんでこんな無駄に色気があるのか不思議だ
こんな事思ってるのは決して俺だけではない
周りの人だって先生を見てコソコソ話をしてる
一番目に付いたのが通路に立っている女の人二人組だ
二人で赤らめて先生をガン見していた
本日2回目のこういった視線に溜息が出てしまう
それを感じ取ったのか、立ち上がった先生が周りに見せびらかすかの様に顔を近づけた
熱が一点に集中する
「お前、一々気にしてたらキリがねぇぞ。
まあ、俺の事で悩んでるお前見るのは可愛いから良いけど」
先生お得意のクサイ台詞は俺のどんよりとした気分を一瞬にして晴れやかにしていく
俺を立たせて肩に腕を廻しながら先程から視線を送っていた女の人たちを鼻で笑い横を通り過ぎた
……なんて怖い人なんだ
後ろを振り返ってみるとその二人組は悔しそうに唇を噛み締めていた
それを見ればざまあみろと思ってしまう俺は性格が捻くれてしまったのか…
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「これ、着とけ。誰かさんがはしゃいで前に行ったせいで濡れてるけど、着ないよりはマシだろ」
昼ご飯を食べていない俺たちはお腹が減り出口に向かい帰ろうとして歩いていた
その途中でこんな事を言うものだから俺の心臓は高鳴っていく
もちろん高鳴ったセリフはまるで区切られた一文だけだ
肩に掛けられたコートに腕を通せば身長差が露わになる
お礼を言うが口元に手を当てる先生が憎たらしい
「袖折っとけば?」
「笑いながら言うって事は馬鹿にしてるだろ!」
「あ、敬語じゃなくなってる」
「先生が失くせって言ったんじゃん」
「急に生意気になったな」
「本当うるさい!」
優しさと意地の悪さが短時間で襲いかかってきたが、先生とのこういう会話は嫌いではない
「口は生意気だけど行動は可愛いよな」
俺の腕を持って上に上げれば手首に光るそれを見てニヤニヤする先生
実は初めて貰ったブレスレットをつけて来ていたのだが、先生のからかいの餌食になるとは…
調子に乗る先生の腕を軽く抓り、人差し指を目にやり舌を出してブレスレットをつけた腕を隠した
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