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「どうだい。口に合うかね?」
大佐が尋ねると、少年はコクリと頷いた。その様子に、大佐はそっと顔をほころばせる。
大きく口を開けて元気に卵をかじるこの子の姿は、確かに愛する妻そのものだった。
「ねえ……おじさん?」
「王子様」
「え」
「名前で呼んでくれないか?」
そう言われた少年は、キュッと背筋を伸ばした。
「ん……ソウゲツ大佐」
「『大佐』はいらないよ。いつも呼び捨てだったじゃないか」
「じゃ......ソウゲツ?」
「なんだい?」
大佐の穏やかな声に、王子様は安心して続けた。
「なんだかよく分からないけど、あなたが言ってること、ホントみたいだね?」
「ああ」
「僕たち……その、えーと……結婚してるの?」
「夫婦だからな」
言いながら大佐は天使のような王子の髪をフワリと撫でた。
それに驚いたのか、王子様はポッと顔を赤らめて下を向いてしまった。
王家の少年に不躾だっただろうか?
「す、すまない。つい、いつもの調子で」
大佐が手を放すと、王子様はすぐに顔を上げた。
ブンブンと首を横に振る。
「ううんっ、いいんだ。母上もよくこうしてくれるから......」
「そうか」
大佐がホッとすると、少年は初めてニッコリと笑ってくれた。
「ねえ、もう一回あなたの手を見せて?」
「ん、こうかい?」
「うん。わあー、やっぱりすごく大きいや。僕の倍くらいあるんじゃない? 腕相撲したらめちゃくちゃ強そう!」
王子のその言葉が何だかとても可笑しくて、大佐は思わず愉快な笑い声を上げてしまった。
・・・・・
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