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「君が怖がりでよかった。もちろんだとも。一緒に寝よう」
胸に王子を抱き締めながら大佐は目を細めていた。
彼にとってリオ王子と過ごす夜は、手放せない至福の時間だ。取るに足らない話で笑いあったり、すべてを受け入れてくれる甘い温もりに満たされることで、日々命懸けでのぞむ仕事の重圧と均衡をとっていたのかもしれない。
今夜はもうあきらめていたが王子様はドアを叩いて来てくれた。泣きじゃくる声をあやしながら、どんなにホッとしたことだろう。
要するに、大佐は今嬉しくて仕方がないのだ。
可愛い鼻先にキスをする。
すると案の定、王子様は「あっ」と驚きの声を上げた。
はじめは困ったように目線を泳がせていたが、その後に続いた額や頬に落とされる口づけにはなんとなく要領を得たようで、母親がくれる「おやすみのキス」の時のようにジッと目を閉じて受け入れていた。
*****
大佐の気持ちがようやく落ち着き、キスがひと段落する頃には王子様はリンゴのように頬を赤らめてすっかりのぼせ上がっていた。
それでもかろうじて正気を保っていられたのは、男のキスがふだん家族にしてもらうような親愛の情を超えなかったからに他ならない。
ソウゲツ大佐にとって10歳に戻ってしまった少年は愛しい人には変わりないが、性欲の矛先としては対象外だったのだ。
「こんなにキスしてもらったの生まれて初めて!」
王子様は嬉しそうにそう言った。
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