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それに応えてくれたのだろうか?
大佐はすぐに身体を起こした。
同時にワインの香りも遠のいてゆく。
「(助かった……)」
王子様はホッと息をついた。
口元が濡れているのが分かると、恥ずかしくなって袖でぬぐった。いつもとは違う大佐のキスに心臓がドキドキと鳴り止まない。
あのまま知らない世界に連れていかれるような気がして、怖くて、急いで引き返してきたけれど......。
「(もう......しない、の......)」
少し残念そうに後ろを振り返ったのは、あれほど警戒していたワインの香りが消えてしまうと何故だか急に心細くなったからだ――。
ところがどっこい。
前述のとおり一味違う今宵の大佐は王子様の言葉を聞き入れてなどいなかった。
それどころか「ダメ」と言われたことで余計に気分が盛り上がってしまったらしく、おもむろに少年の髪をくしゃりと撫でると、いよいよ戦闘態勢に入ったのだった――。
「ソウゲツ......」
再び戻ってきた香りを、王子様は不思議な気持ちで受け入れていた。
どうしてこんなことになっているのか分からなかったが、少年もすでに酒の香りに酔っていたのかもしれない。
唇に宿った熱をこすりつけるような情熱的な口づけに、身体がふわりと溶かされていく。
「ふ......ぁ......」
まるで夢でもみているみたいだった。
やがて大佐は熱っぽく「リオ」と呟くと、制御のできない舌先を小さな唇に割り込ませていった。
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