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「......!?」
ぬるりとした感触とともに、それは入ってきた。
えもいわれぬ異様な舌触りに我に返った少年は、肩にキュッと力を入れて身構えてしまう。突然自分の中に侵入してきた未知の物体に警戒したのだ。
もしも有害なものだとしたら、すぐに吐き出さなければならない。
いつでも押し戻せるよう大佐の胸元に手を当てながら、王子様は息をひそめて事の成り行きを見守っていた。
けれど、思ったよりも大佐の振る舞いは優しいものだった。
彼は時折獰猛な気配を息づかいにちらつかせていたが、触れる舌や唇には心を尽くしており、いつしか王子の気持ちまで緩やかにあやしていたのだ。
「ぁ......んむ、ぅ」
重なるたびに、微かな味がする。
ふわりと甘くて、苦くて、渋い。
舌にまとわりつくかんじ。
これが「酒」なのだろうか?
だとしたら、まずいことになったぞ。
「(僕たち、いけないことしてる......)」
王子様には、なんとなくそれが分かった。
こんなことが親にばれたら、きっと叱られてしまうだろう。
だけど......
だけど......
「(どうしてやめられないんだろう......?)」
そう思う頃には、あの味を求めるように小さな舌先をおずおずと動かしはじめていた。
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