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すごくドキドキしてるけど……。
「(大丈夫。今までは完璧だったもん……!)」
そうやって自分に言い聞かせると、少しだけ落ち着いた気がした。
ふー……。
チラリと大佐の方を見る。
彼はアイスクリームをスプーンで丁寧にすくっているところだった。
そう言えば最初の朝食の時から意外に思っていたのだけど、どうやらこの人は甘いものが好きらしい。
なんとなくその様子を眺めていると、思わずクスッと笑ってしまった。
「(おいしそうに食べるなあ)」
口に含んでいる時など目を閉じて、まるで自分の世界に浸っているみたいだ。
「(幸せそう……)」
頬に手を当てながら王子様は嬉しそうに大佐のことを見つめていた――。
*****
「王子様。今夜は久しぶりに晴れたから、少しだけ夜更かししようか?」
「ん……!」
突然の大佐の提案に、王子様は「はっ」と目を丸くした。
「よ、よふかし?」
大佐はうん、と頷いた。
「もう眠たい?」
ブンブンブンブン!
「ううん、だいじょうぶ!」
夜更かしって……もしかして、もしかして……!
「僕、ちゃんとお風呂入ったから!」
準備は万端だ。
「ようし。じゃあ目を閉じてくれ」
「目を?」
「お楽しみだからな」
そう言いながら大佐は右手の平を少年の目の上にかざした。
王子様はドキドキしながら目を閉じてみる。
何も見えなくなってしまった。
けれど、不思議と怖いとは思わなかった。
軽々と少年を抱き上げてしまうと大佐はテーブルを離れて歩きだした。
目指すは王子様のためにこしらえた、とっておきの場所である。
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