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・・・・・
驚いた。
これは、おやすみのキスをねだる顔ではない。
今夜は出迎えてくれた時から様子が変だと思っていたが、ベッドで男を誘うとは何ともおませな10歳じゃないか。
しかしこの時、大佐は少なからず喜びを感じていた。
それはそうとも。愛する人にキスをせがまれて燃えない男はいないのだ。
据え膳食わぬは、なんとやら。
「いいよ」と言って微笑むと、大佐は肘枕の体勢のまま少年の額を撫でながら鼻先や頬に丁寧に口づけていった。
一段落すると顔を覗きこみ、いたずらっぽく尋ねる。
「あとは、どこにしようかな?」
王子様は少し考えると、自分の唇をツンと触ってみせた。
「ここ?」
示された場所を指でなぞってやると、少年は小さく息を漏らした。
柔らくほのかな弾力は薄桃色で、それは大佐が求める「リオ」そのものだった。
こうして見つめている時間が恥ずかしいのか、王子様はやがてキュッと目を閉じてしまった。
強がっていたのだろう。
けれど、もう遅いぞ。
「やっぱりイヤだ」と言い出す前に、大佐は「ちゅっ」と唇を奪ってしまった。
*****
はい、おしまい。
大佐は少年から身体を離した。
名残惜しいが、小さい王子様にはここまでだ。
「よくがんばりました」
そう言って、これが最後のつもりで少年の額を撫でた。
しかし今夜の王子様はこれだけでは終われなかった。
この人とちゃんと夫婦になりたい。
その一心でジッと大佐の目を見つめている。
「ソウゲツ、もっと......」
「?」
「ちょうだい? ちゅー。あと100回!」
「ははは、よくばりだな」
「......ダメ?」
王子様は、シュンと俯いてしまった。
その様子に大佐は首を傾げる。
「今夜はやけに積極的だな。そんなにキスが気に入ったのか?」
「うん。気に入った......!」
やれやれ......。
大佐は思わず頬を緩めた。
キスを回数で勘定するあたり、まだまだ子供だと言わざるを得ないが、こうなってしまったのもそれを教えた自分の責任といえば責任なのだ。
「ようし。それじゃあ、たくさんしようか」
「ん!」
王子様は「パッ」と嬉しそうな笑顔を見せてくれた。
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