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「で、例の小さくなった王子様はどうなんだ。元気にしているか?」
ゲオルグの問いかけに大佐は目を細めて頷いた。
「それはもう。毎日何かしら新しいものを見つけては楽しそうにやってるよ。こっちはついていくのが大変だ」
「ハッハ。嫁さんがいきなり若返るなんてそうそうあることじゃないからな。普通なら大喜びするところだろうが、10歳までいったらロリコンを通り越して完全に親子だな」
「言いたかないがその通りだな。あの人に『おじさん』と呼ばれた時のショックは今でも忘れられない」
大佐は肩をすくめていたが、王子を語るその表情は楽しげだった。
その様子を見てニヤニヤしながらゲオルグはもう一本のタバコに火をつける。
「んで? 身体はいつ元に戻るんだ」
「火星の王様の話では2週間程度ということだから、もうまもなくさ。あと2、3日だな」
「なるほど」
「はじめこそ戸惑ったが、結局あの人であることに変わりなかったし、坊やのくせして本人はしっかり奥さんのつもりでいるんだ。私達は夫婦として何も問題ない」
大佐の言葉にゲオルグは口角を上げて頷いた。
「そりゃあ結構。まあ、もうしばらくの辛抱だ。なんとかこらえろよ」
「こらえるも何もあの子とはうまくいっているよ」
「いや、そういう意味じゃない」
「何だ」
「セックスだよ。お前のことだからどうせ毎日のように盛ってたんだろ、え?」
ゲオルグはこの問いに対して大佐が「もう限界だ」などと言ってくれるのを期待していたが、予想に反して決まり悪そうに黙ってしまったので「おや」と思った。
「ソウゲツ......お、お前まさか!?」
「いや、さすがに抱いてない」
「は......何だよ、驚かすな」
「しかしその気になったのは事実だ。セックスに興味をもったあの子が誘ってくれた。我ながら節操がないと反省しているが、なにしろ可愛かったよ」
「はあー......? いまどきの子供は随分ませてるんだなあ。しかし見直したぞ。ちゃんと理性を保ったんだろ?」
「辛うじてな。結局あの子と物理的に身体を繋げることはできないから、それが救いだし。......切ない」
大佐はそこまで言うとアシュトレイにタバコの火をそっと落とした。
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