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大佐は静かに呼吸を整えながら震える指先を伸ばした。
コットン生地の肌触りを確かめつつ、いよいよ核心に触れようとした。
その時だった――。
「やあぁっっっ!」
突然上がった甲高い叫び声に驚いて手を止める。
いったい何事かと思い少年を見れば、今にも泣き出しそうな顔をしてブンブンと首を振っていた。
「おっ、お願いっ、そこはやめて......っ」
「リオ......」
そう言われてもすぐに言葉を返すことができなかったのは、拒否されてしまったことが少なからずショックだったからだ。
こちらも中途半端な覚悟で情事に挑んでいるわけではない......。
そんなやりきれない気持ちを表情に読みとったのか、王子様は必死に頭を下げていた。
「ごめんなさいっ......ぼくっ.....ぼくっ」
「大丈夫か」
「ごめんなさいっ......」
大佐は喉元まで迫りくる気持ちを落ち着かせるようにぐっと目を閉じると、王子のあられもない姿を胸に抱き締めた。
ゆっくりと背中を撫でてやる。
「謝らないでくれ。もちろんやめる。君が嫌なことはしない......」
大佐はそう言ったが、王子様は首を横に振るばかりだった……。
*****
王子様は行為が嫌ではなかった。
それどころか触れる指先からにじみでる大佐の優しさに心を打たれていた。
この身体だって、まるで炎のように熱くなった中心が何かを叫びだしそうなほど痺れて、震えて......。自分ではコントロールできない頭の中は、もう彼のことでいっぱいになっていた。
それだけに恐ろしかったのだ。
この「異変」を知られてしまうのが。
「(ソウゲツに嫌われちゃう……!)」
そんなの、とてもじゃないが耐えられそうにない。
しかし自分でも唖然とするほどの変貌をみせる小さな象徴は、どういうわけかこの男と過ごす夜に限って現れるのだ。
悔しかった。
彼には心から「ごめん」と言った。
本当はもっともっと触ってほしかった。
だけど……。
もう、これ以上はムリだと思った。
・・・・・
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