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【終章】12
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そのキーで難なく部屋のドア開けてしまうと、二人はさっきまでのやりとりがお約束であったかのように顔を見合わせながら、ニッコリと微笑みあった。
この中に隠れてしまえば、もう誰にも邪魔されることはないだろう。
*****
外界と切り離された部屋はひんやりとした夜の静けさに包まれていた。
大佐は王子様を抱えたまま部屋のドアを足蹴に閉めると、歩を進め、ベッドに向かう僅かな時間すら惜しむように火照った唇を少年の額にまぶしていった。
それを嬉しそうに受け入れながら、王子様はナイショ話をするように小声で大佐に囁きかける。
「ねえ、僕、あの服持ってきたんだよ?」
「あの服?」
「ほら、夕べの女の子の白いやつ」
今夜の情事も、ぜひあのネグリジェを着て臨みたい。
「(ソウゲツ……喜んでくれるかな?)」
頭からすっぽりかぶって、レースのひもを結ぶだけだからアキラがいなくても簡単に自分で着られるはずだ。
夫を誘惑するのは妻の役目。
少し時間をもらえれば、すぐ……。
「あれに着替えるから待ってて?」
そう言って大佐の腕から離れようと身体をよじってみたが、どうしても上手くいかない。
何で? と不思議に思った時にはすでに胸が止まるほどの強さで抱きすくめられていた。
「ソ、ウ......?」
「リオ......君って人は、君って人は......! もういい。こうしてやる!」
震えるバリトンの声色に息を呑んで見上げると、すぐに大佐の余裕をなくした眼差しにつかまってしまった。
その深く蒼い輝きに目を細める頃には、一切の自由が利かないまま、身体は天国のような心地のベッドに優しく突き落とされていたのだった。
「わ、あっ......!」
「大丈夫か?」
「ん、でも、パジャマが......」
「パジャマは後だ」
この後に及んでそれにこだわる王子様に、大佐は口元を緩めてのしかかった。
「今夜は君を見せてくれ」
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