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「そろそろ起きなきゃ間に合わないよ。飛行機は8時に来ることになってるんだから。ねえ、この腕をどけて?」
「まだ早すぎる。いいじゃないか、もう少し横になっていなさい。夕べはほとんど寝てないだろう?」
「あははっ、それ誰のせいだと思ってるの? ねえ、本当に。離してくれなきゃ噛みついちゃうから」
いいの?
そう言って悪戯っぽく歯を見せて笑う。その様子はいかにも楽しげで、これから待ち受ける世界が君にとってどれほど心踊るものなのか、まざまざと見せつけられた気持ちになった。
「君って人は! そんなにこの私から離れたいのか?」
「何言ってるんだよ、もうっ。朝っぱらから被害妄想が激しいなあ!」
「こら、待ちなさいっ!」
こっちの気なんぞこれっぽっちも知らない君は、噛みつく代わりにキスをくれると、スルリと腕をくぐって起き上がってしまった。
そのままスタンドランプのシェードに引っ掛かっていた戦隊ヒーローのパンツを回収すると「見ないでくれる?」とニッコリ微笑み、着替えの前に可愛らしいクギを刺してくる。
ふんっ! なーにが被害妄想だ。こっちは生きるか死ぬかなんだぞ。新婚早々愛する人と身を裂かれる男のつらさを思い知らせてやりたい。一体どれほどの心痛なのか、その半分でも理解できていたなら君だって思い直したはずなんだ。おい、笑ってる場合じゃないぞ! もういい。こうなったらさっさと行ってしまえ。私は決めたんだ。次に君と逢える日まで一切の楽しみを絶ってやる。寂しくたって火星なんぞ見上げるものか。修行僧のごとき禁欲を己に課してボルテージを上げるのだ。そうして夜な夜な膨れた想いを一気に叩きつけてやる。まずは朝から晩まで手加減なしのキスの嵐だ! ふふふ、君の真っ赤な顔が目に浮かぶぞ。後悔したって、もう遅い!!
......王子様、だからさっきから何がそんなに可笑しいんだ???
・・・・・
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