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始めてのログイン
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気づけば、布団の中に居るような心地いい感覚に包まれていた。
布団の匂いを嗅ぐとそれは全く知らない匂い。
香水ではない、植物でもない、動物だと分る匂いだが、嫌いじゃない。
むしろ、嗅いでると落ち着く。
布団を抱き締めれば、何故か頭を撫でられていた。
優しく甘やかすような手つきに、いい匂い。
さっきからずっと目を瞑りっぱなしだから、ちょっと眠い。
このまま寝てしまうのも、いいかも。
そんな事を考えて左側に寝転がった。
すると、頭を撫でる手つき以外に不審な手つきが一つ。
何故か、俺の胸辺りをするすると服の上から撫でる手だ。
手のひらだったのが指先に変わり、俺の乳首の周りをくるくると描くように触り始める。
急な感覚に、下半身が疼き体ビクついたところで、俺は身の危険を感じて目を開く。
すると、目の前には柔らかな雰囲気の男が居た。
赤銅色にウルフカットの肩まで伸ばした髪。
透き通った赤い目に、柔らかく笑うイケメン。
どうやら、俺は無事ラヴィーナへログイン出来たらしい。
「おはよ、俺のハニーちゃん」
そう言うと、一緒に寝ていた男はギシギシと音を立てて俺に体を寄せてくる。
この時初めて、ここは真っ白な部屋の中で、俺とコイツはベッドの中に居る事を知った。
「ちょ、お前は誰?!」
奴の腕の中で暴れるが、ビクともしない。
「ここのサイトは初めて? 俺はね、ラヴィーナでの恋人ロッソ」
「こい、びと…?」
驚く俺の顔を見て、ロッソと名乗る赤い男はふわり、と笑った。
「そ、コイビト。このサイトはね、リアルな電子世界の利点を活かしたサイト。登録すると、こうしてランダムに擬似恋人を選んでくれんの。期間は1ヶ月」
と言う事は、このサイトでは毎回こうして男と寝てるのか、飛鳥は…。
なんで女の子相手にしないんだよ、と心の中で悪態をつくものの、目の前に居るのが2次元宜しくな美形なせいか、ちょっと心臓がうるさいは顔は暑い。
「合コン、みたいだな」
俺がそう言うと、相手は悪戯子のような笑顔で笑う。
「ご名答、このサイトは擬似恋愛メインの合コンサイトだからね。あ、俺バリタチだけどお前の属性は?後名前」
「俺は…」
そこで、ふと考えた。
見た目は金髪碧眼な細身のイケメンにしたが、名前は面倒で本名のままだ。
「アヤトだ」
「へぇ、可愛い名前。ヨロシクね、アヤちゃん」
そう言うと目の前の男は微笑みながら、俺の腰に手を回してきたので、引き離そうとして攻防戦が始まる。
どうやら、このサイトは思ったより危険だ。
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