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日常
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もう慣れてしまったのかもしれない
体に打ち込まれる拳や蹴りが
目の前の視界を暗く染めていく感覚
周りが嘲笑する声が遠くなっていく感覚
その度に痛覚だけが覚醒したように鋭くなって
痛みだけが自分の意識を保つような感覚
今日の理由はなんだっけ....
確か...
...廉さんよりいい点数をテストで取ってしまったことだ...
なんでこんな目にあっているのかたまに分からなくなる
理由なんて正直こじ付けで
廉さんは俺のことが殴れればそれでいいから
俺の事は殺しはしない
死ねっていつも言われるけど
殺したらまずいことくらい本人だって分かりきってるから
そのギリギリの界隈でいつも俺のことを殴ってくる
今日はなんだかいつもより
長い気がするなぁ......
殴られる度に、蹴られる度に
自分の口から抑えられないくぐもった声が漏れる
それが聞ける度に廉さんや周りの人が悦ぶ
やめてなんて言えない
言っても聞いてくれるわけがない
俺が耐えれば
誰も傷つかなくて済む
母さんを傷付けずに済む
俺が耐えれば....
最後に廉さんの声が聞こえた
たぶんだけど、聞こえた
息が.....苦しい......
死んだら楽になれるんだろうけど
俺に死ぬ事は許されないんだ
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