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道案内
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道中での瑠壬との会話は、何の他愛もないものだったが、転校してきたばかりの悠にとってはすごく充実した時間だった
「そろそろ着くよ。少し時間は早いけど、クラスのみんなと仲を深める時間に使ってね。みんないい子たちばかりだから」
最後の階段を登り終え、振り返る瑠壬はまた優しく悠に微笑む
人ってこんなに綺麗に笑えるものなんだなぁ、と瑠壬を見ているとつくづく思う
「さぁ、着いたよ。ここが悠くんの教室」
瑠壬はそう呟いて足を止めた
「瑠壬さん、本当にありがとうございました...あ、あの、もしよかったら、俺と友達になってくれませんか...!」
こんなに優しくしてもらっておこがましいかとは思ったが、それが悠の素直な思いだった
まるで愛の告白をするように覚悟を決めた悠に目を丸くした後に、思わず失笑する
「俺、三年だけどいいの?」
まだおかしそうにくすくすと笑う瑠壬が、先輩だとは何となくわかっていたが聞き返されると恥ずかしくなる
「あ、じゃ...じゃあ、後輩でもいいのでっ!」
「もう可愛い後輩だよ」
訳の分からなくなった悠が下げた頭をぽんぽんと優しく叩く
それだけで恋したように胸がキュンとなる
「じゃあ、俺もう行くね。早くこの学園生活に慣れるといいね。またたくさんお話しよう。あと、俺の事はシロでいいよ」
振り返りながら手をこちらに振ると、きた道を戻るように帰って行った
その背中を見つめて暫く経ってから、心の隅でずっと気になっている新のことについて尋ねることを思い出した
でも瑠壬の姿はもう見えなくなっていた
「シロさん....また会いたいなぁ」
絶対モテんだろうなぁ....
そんなことを思いながら惚けている悠だったが、はっと意識を戻す
ここが俺の教室
早くみんなとも仲良くなりたい...!
閉まっている扉に手をかけて、悠は新しい世界への一歩を踏み出した
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