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もう1つの部屋
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廉達は教室棟から出て、寮棟へと向かう
その間にすれ違った先生は誰1人として注意しなかった
しなかったというより、できないという方が正しいのかもしれない
学園の支配権は廉と瑠壬の手の中だ
逆らえばどうなるかという事くらいみんな知ってるし、それを恐れていた
だから誰も廉のする横暴な行為に注意も止めもしないのだ
そうして何の障害もなく、寮棟に到着した
先に到着していた連れがエレベーターを留めており、その中に無言で乗り込む
元々は学園の生徒なら誰でも使えたのだが、廉と同乗することに気まずさを感じた生徒達自ら利用することをやめたので
今は廉や瑠壬、その連れ仲間の専用と化していた
新も漏れなく使用をしないから久しぶりの乗車だった
最上階の6階に着き、廉と瑠壬を先頭に歩き出す
腹部の痛みは耐えれるまでに治まっていたが、まだ両脇を抱えられ引っ張られるようにして歩く
一度だけ、まだ廉に抵抗していた時の事
掴まれた腕を離された瞬間に逃げ出した事があり、それからというもの廉が離せと言わない限りは拘束され続けているのが普通になっていた
今はもう、逃げる選択肢を選ぶことなんかできないのに
ずっと無言で歩き続け、廉の部屋に入りやっと掴まれていた腕を解放してもらえた
この学園の寮は1人部屋制だが、とても広い作りだった
しかし廉の部屋は更に広く、6階にある部屋は廉の部屋のみだけで、その広さは軽く一軒家くらい広々としている
人を招く時の部屋と、廉の部屋、リビングの役割を果たしている部屋、それからもう1つ...
大きく分けて4つの部屋があった
連れと瑠壬はリビングに足を進め、そこにあるソファに腰をかけて談笑を始めた
廉は瑠壬に何かを告げた後、廊下に1人佇む新に近寄る
怯えた目をした新を冷たい目で睨みつけ、その腕を掴む
そしてある1つの部屋に連れ込んだ
その部屋は、先ほどの4つのうちのもう1つ
新を閉じ込めておく部屋だった
投げるように新の腕を振り解き、後ろ手に扉を閉めた
「まだ答えないつもりか?新」
静かに部屋に響く廉の声の低さに、鼓動が早まる
先ほど教室で聞かれた問いかけの答えを廉はまだ求めているという事に、焦りと緊張が蘇る
閉鎖され逃げることもできないこの部屋が、新は一番嫌いだった
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