アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
気になる子
-
授業の始まるチャイムが鳴って担任の先生が来た
とても明るくて優しい男の先生だった
朝のホームルームの時間を悠の自己紹介の時間として割いてくれ、みんなからはまた質問の嵐だった
でもただ1人、悠に質問もしてこないし、席も立たないし、たまにちらりとこちらを見ては視線が合えば逸らす
そんな男子生徒がいた
自分に興味がないといえばそれまでだけど、それとはちょっと違う気が悠にはした
「瀬戸の席はどこにするか...あ、神谷の後ろが空いてるな。そこに座ってもらうか」
先生がそう言って指を指した席はその生徒の後ろだった
分かりました、と頭を下げてその席に着く
カバンを机の横にかけて、先生からの諸連絡を流し聞きする
もうホームルームも終わる感じだな...
そう思っていたら担任は悠に話を振った
「1校時は体育だから、みんなと一緒に体育館に行くようにな。体育着は教科担任から支給されるはずだからそれを受け取ってくれ」
「分かりました、ありがとうございます!」
へぇ、1校時は体育なのか
運動は得意なので、それを聞いて胸が踊る
少し長く感じたホームルームは終わり、担任のいう通り、みんなに連れられて体育館に向かう
教室を出る寸前に、気になっている男子生徒を一瞥したら、またその子は俺のことを見ていた
....変な子だなぁ
--------------------
体育館に到着し、その外観をみると、昨日新を背負ってここに来た記憶が蘇る
でも、みんなには相手にしてもらえない
まだこの学園に来て知らないことだらけだけど、それだけは分かったつもりでいた
みんなが着替える間に教官室を尋ねると、昨日は施錠されて誰もいなかった部屋の中に先生の姿があった
ノックして合図をすると、いかにも体育教師という体格の先生は振り向いた
手招きされて
入れ、という合図を確認した悠は扉を開ける
「おはようございます。昨日転校して来た瀬戸悠です。よろしくお願いします」
頭を下げると、先生はよろしくな!と握手を求めて来た
それに応えつつ爽やかだなぁ、と思いながら体育着の話を出すと先生は申し訳なさそうに口を開いた
「すまんな、瀬戸。まだ届いていないみたいでな...。今週中には届くと思うから、今日は見学という形で授業に出てくれ。減点はしないから安心していいぞ」
体育なのに授業に出られないのは少し辛いけど、仕方ない
分かりました、と返事を返して教官室を後にした
まだ着替え終わっていないのか、体育館にみんなの姿が見えなかった
他のクラスと合同なのか、知らない生徒たちの姿もあり、気まづさを感じた悠は辺りを見渡す
その視界に、さっきの男子生徒が映った
まだ話したことないし、俺から話しかけるのもアリだよな...
そう思って悠はその子の元に足を進めた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
25 / 36