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決意
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「春はさ、新の事...知ってる?」
躊躇いがちに悠はちらりと春を一瞥する
悠の言葉に春は少し目を大きく見開き、下を俯く
春がどう答えるのか、憶測すらできない
ただ悠は静かに春を見つめる
しばらくして、黙っていた春は顔を上げると、悠の前の席に腰を下ろした
手に抱えた本をその机に置くと振り返り、悠の顔を真剣に見つめる
「...知ってるよ。新くんのこと。」
春の言葉に安堵する
良かった。春はやっぱりクラスのみんなとは違う。
そういう気持ちだった
「...もしさ、嫌じゃなければ...俺に新のこと、いろいろ教えてほしい。新を守ってあげたいんだ。」
歩がなぜ自分を嫌うかは分からないが、新を知りたいと言った悠を敵対視したのは間違いなかった
春も言いたくない気持ちがあるなら無理強いはできない
教えてくれるなら知りたい
「...全然いいよ。」
春はそう言いながら少しばかり微笑んだ
だが
「転校してきたばかりの悠くんは分かんないと思うけど、新くんに関わるのは簡単な事じゃないんだ....。意味分かんないと思うけど....。だから、今から話す事、しっかりと聞いてね。」
真面目すぎるくらいの眼差しに、悠は息を呑む
春は少し視線を落とした後、決意したように悠を見つめた
春の口から、新の過去が明かされていく
大丈夫、俺はなんでも受け止めるから。
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