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転校初日
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「荷物はもう部屋に送ってあるからね、ほら!1日目から遅刻なんてしちゃダメよ!」
悠は母親に送迎してもらった車から降りた
そこは一ノ瀬学園の校門前
大きな門の前で悠はそれを見上げる
今日からこの一ノ瀬学園に転校して来た悠は、その門の前で圧倒される
「もう!ぼさっとしてないで早く職員室に行ってらっしゃい!これに地図描いてあるからね」
母は車内から手を伸ばし悠へ白い紙を渡した
「寮の部屋はお母さんも分からないから先生からの説明をちゃんと聞くのよ?それじゃ、仕事に遅れちゃうからもういくね!」
「ありがと、母さん。いってらっしゃい」
悠は一歩下がり母へ手を振る
手を振り返してくれた母だったが
何かを思い出したようにまた口を開いた
「落ち着いたら連絡してね?あ、あと荷物の中に生活用品とか色々いれてあるからそっちで使ってね、それから...」
「大丈夫だよ母さん、遅刻しちゃダメなんだろ?俺は大丈夫だから。ありがとね、いってらっしゃい」
話し出すと止まらない事を知ってる悠は母を気遣い話を断った
そうよ、いけない!と呟き
発進させようとするもまたこちらを見る母
「ん?どしたの?」
「制服、似合ってるわよ。じゃあね」
微笑むと静かに発進させ、最後に手を振ってくれた
転校先の一ノ瀬学園は寮制度で
月に一度だけ、家に帰ることができる
最後の別れではないけどやっぱり少し寂しい
制服をうまく着こなせない自分に対する
母の言葉が嬉しくて身に染みる
振り帰ると門を警備する警備員に声をかけ
悠は敷地内へ足を踏み入れた
ここでの新しい生活に
期待と不安で胸を踊らせ歩く足取りは少し重たい
だが悠にとってはそれも今日を楽しむことができる
1つの材料にすぎなかった
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