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迷子
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広い敷地内はまるで映画のセットのように豪華なものだった
新設したばかりのような綺麗な校舎らもそうだが
広すぎる中庭にはガーデニングエリアもある
一般に想像するような校庭の姿ではなく
本当にここが学校なのかと疑うほどだった
辺りを眺めながら歩いていると白い建物に到着した
職員室に向かうということすっかり忘れており
ひとまずそこで母から受け取った地図を広げた
「...母さん...これ買い物リストじゃん....!」
広げた白い紙には今夜の買い出しの商品が書き連ねられ
とても地図には見えない
というか地図じゃない
「...まじか...どうしよう....ここ、どこだ...」
辺りを見渡すが人の気配がない
朝のホームルームも始まってる頃なのだろうか
携帯を確認すると9時を過ぎていた
とりあえずこの白い建物に入って誰かいないか見てみよう
少し躊躇しながら足を踏み入れたそこは体育館のようだった
教官室にいけば先生くらいいるだろうと探して向かうも
施錠されてる上に室内は暗い
人の姿はもちろんなかった
「...嘘だろ〜...」
こんな時に限って人に会えない自分の間の悪さを恨む
悠は体育館を出てとりあえず目に入った
同じく白い建物に向けて足を進める
きっと今の行動は不審者に近いだろう...
警察とか呼ばれる前にとりあえず誰かこの学校の人に会いたい
その思いで辿り着いた校舎の外側から
なにやら人の声が聞こえる
笑い声だろうか
複数の声が聞こえる方に足を進めた
やっと学校関係者に会える....!
対面した時に怪しまれないように
どういう風に説明しようかと頭の中で考えながら
徐々にはっきりとしてくるその声の方へ近づく
だが悠が次に見る光景は
ただの談笑する声ではなかった
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