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プローローグ
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―天神界・千零國・椿城・テラス
琥珀色の月が椿城のテラスにスポットをあてていた。
「っぁ、んっ…」
「私が居ない間、どの様に過ごしていたんですか?」
「ふぁっ…ぁっ、黒ぅぅっ」
風の音すら聞こえない静寂な中で情事をしている二人の影が見える。
映しているといえば、夜空に浮かぶ丸い月だけ。
「翼…もっと、見せて下さい。貴方の顔を…」
「ぃじわるぅ…」
「…っ」
一人は青年だろうか。
整わない呼吸と共に漏れる甘い嬌声が男を刺激した。したたかな汗が頬を伝っていく感覚が解った。
ハァハァと、酸素を取り入れる青年の顔を一撫でするなり。
「どうやら…私も限界みたいです」
丁寧な口調で男は吐き、彼の腰を浮かせた。
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